ぼくは仕事ができない

30代後半、ADHDのゲイの日記です

2022.6.24

主治医から「やっぱり1週間の休みは短いと思う、1ヶ月ぐらい考えた方がいいのでは」と言われ、迷ったけど、追加で3週間休むことにした。

 

今回はトリンテックスを処方してもらったけど、副作用と思しき吐き気がしばらく続いてる。効果は出てるっぽいから副作用が治まるといいんだけど。吐き気の程度は大したことはないけど、気持ち悪さを紛らすために余計なものを食べていて、ここ2週間でたぶん体重が増えてて、それもうんざりする。

 

仕事のことを考えると憂鬱だから、余計なことを考えないようにネトフリやらYouTubeやら観て過ごしてる。本当は散歩とか出かけた方がいいと思いつつ、暑くてそれも億劫で困る。

2022.6.14

今朝、上司に連絡をした。

主治医にうつと言われたこと、休職は復帰が大変だから、ひとまず今週休んで仕事は続けたいこと、うつの再発率を考えると今後はキャリアアップより健康な状態をキープしながら仕事を続けることを優先に考えたいこと、そのために今の仕事を続けるのは厳しいので異動も視野に入れて考えたいことを伝えた。

 

どれも了承されて、今後のことは追って相談ということになった。あまりに話がスムーズで「異動するとしたらどこがいいか」と聞かれて、「ああ、別に必要とされてないんだなー」と感じたけど、これは自分の推測でしかないので、言葉の裏を考える必要なし。認知の歪みに振り回されない。

 

ある程度覚悟が決まったので、少し楽になったのか、昨日はよく眠れたし、しばらく続いていた胃腸の調子の悪さもマシだった。

覚悟したと言いつつ、この先のことが不安で仕方ないけど、薬が効いてくればとりあえずは大丈夫になるだろうし、元気でさえあればなんとかサバイブできるはず。全部低気圧とうつとADHDのせい。

 

2022.6.11

疲れてエネルギーが枯渇してるせいか、一日中眠くて、ぼんやりYouTubeを流しながら寝たり起きたりしてた。以前はこういうとき「一日何もできなかった」ような気持ちになっていたけど、今は自分のことなんてやりたければやって、やりたくないならやらなくていいと思ってるし、できないこともやらなくていいと思ってるから全然気持ちが楽になったと思う。昼前に洗濯機を回して、洗濯物を干してなかったけど、それもよくあることだし。

 

部屋が散らかってると精神衛生良くないから、この後少し片付けようか。でも、気が向かなかったら別にやらないけど、それでもいい。

洗濯はやらないと不都合があるので、洗い直そうと思う。

 

事務的な文体の方が書くのは楽だけど、日記として書くには堅い気がしたので、少しチューニングしてみた。

Hope I don’t f**k it up again

案の定、またうつになってしまった。今日が通院日だったので主治医に自分の状態を話したら「うつです」とのことだった。一つ前の記事で書いた自分の状態を考えると、そりゃそうだという感じではある。

 

前回は休職したことで収入は下がり(月収は傷病手当やらなんやらで最低限確保できるが、欠勤日が増えることで賞与が減る)、復帰したあとパフォーマンスが戻るまでにかなり時間を要することを思い知ったので、可能なら休職は避けたいと考えている。

なので「思考力と判断力を失う前に早く手を打たなくては」と思い、信頼できる同じ部署で別のチームの二人の同僚にそれぞれ状況を伝えて相談した。相談したところ、一人は「●●さんに相談したらどうか」と彼女の上司に相談することを提案してくれ、もう一人は同じ部署の中の別のチームに異動して避難することを提案してくれた。

 

同僚の上司は、自分も信頼できる人だと知っていたので、取り急ぎ自分の状態を伝えた上で、たぶん今のままだと潰れること、うつは再発率が高く今後はキャリアよりも健康な状態をキープして仕事を続けることを最優先に考えていること、どうするべきか迷ってはいるものの異動も視野に入れて今後のことを考えたい旨の話をした。彼も自分の考えを尊重してくれ、「キャリアのあり方は人それぞれだから、それについてはあなたの上司も理解する必要がある。直接話すのが難しいなら、自分から話してもいいから必要なら相談して。」と言ってくれた。

 

クリニックでも主治医にここ2週間ほどの体調を伝えたところ、まずいと判断されたようで「とりあえず上司に事情を伝えて。あなたは調子が悪いときは話の要点がわからなくなるから、伝えるべきことに絞って話して。休職しないにしても必要なら諸々サポートするから。」と指示をくれた。

少し前にサインバルタをやっと止めたから抗うつ剤は飲むのは嫌だったが、そうも言っていられないので、いつもの眠剤コンサータ、インチュニブに加えて、今回はトリンテックスを処方してもらった。別に薬を飲むことに抵抗はないが、抗うつ剤にありがちな副作用でEDになるのが嫌で。セックスしなくても勃たないとなんとなく元気がない感じがして余計気が滅入るので。

 

休職はしないつもりで考えているが、もう今の仕事は全部放棄しよう。もう引継ぎもどうでもいい。誰に迷惑をかけても構わない。そこまでの責任を負うほどの給料はもらっていないので。それを考えるのが管理職の仕事だから(そもそもうつで休職歴のある部下に隔週の1on1について「成長のための時間にしよう!」と元気よく宣言するのは正気を疑うレベルでは。)

 

来週、取り急ぎ上司にメールで状況を報告して、数日休みを取ろう。先立って要点をメールをしておかないと「どれぐらいで治るの?何が障害になってる?どの程度なら仕事できる?」とか言いかねない。管理職ならうつがどんなものかぐらいググってくれ。その程度じゃお釣りが来る程度には給料もらってんだから。

 

うつになったのも自分に過失は全くないと思うことにしよう(そう決めないと自責感情で苦しいので。元はといえば、100時間以上残業していてうつになったので、実際会社の問題なわけで。)

今は不安で心細くて仕方ないが、そう感じる自分をよしとしよう。

クリニックから自宅まで歩きながら涙が止まらなかったが、自分のために泣けることは健全なことだと思う。自分には味方になってくれる同僚や友人がいることに感謝しよう。

薬を飲んで、安全な場所に避難すれば、生き延びることはできるはず。

僕は仕事ができない

今、精神状態が結構悪いと感じている。肉体的な疲労も感じる。食欲は落ちて、食べてもすぐ胃もたれして気持ち悪い。思考力や判断力も落ちているかもしれない。親しい同僚は、電話口の声で自分の様子がおかしいことに気がついて「大丈夫?」と心配してくれた。

 

2年前にうつを患って3ヶ月休職したが、うつは一応寛解はしたと思っている。しかしながら、再発率はかなり高いことを考えると、完治することを願うより再発しないように上手く付き合っていく気持ちでいた方が賢明だと思う。さらに、僕はADHDなのでさらにうつになる可能性が高いだろう。

 

うつを患ってから、休職して復帰してから、以前より心身のコンディションを気にするようになった。自分が思ったよりも心身ともに丈夫ではないとわかるようになった。だから、今、自分がまずい状態にあることを潰れる前に自覚できてたことは進歩であり、幸運だとも思う。

 

たまたま今担当している仕事が苦手なタイプの仕事でそれが直接のトリガーになったとは思うが、もともと無理をしていた気もする。

周囲のメンバーは、高学歴で華々しい経歴の人が多い。この年齢になると学歴についてコンプレックスはないし、地方の名もない大学出身だけど、自分が何かの属性でジャッジされているとも思わない。

それでも、何か失敗すると感じると自分が釣り合わない場所にいると感じる。

 

ただ、これはきっと自分の認知の問題で、学歴も普通で専門的な資格も持たずにこの場所にいられるのは、この場所にいる資格や能力があるからとも考えられる。

帰国子女や留学経験者が多い中で、一度だけグアム(完全に熱海か伊豆)に旅行に行ったことがあるだけの自分が英語を使って仕事をしていることは「十分よくやってる」とも考えられる。

 

今はプロジェクトのハブ的な立場で仕事をしていて、それが一番の負荷であることは確かだと思う。

典型的なADHDなので、「マルチタスクができない」、「不注意」、「多動」などの症状は網羅していると思う。

診断を受けるために検査を受けたときは「言語能力とIQは高いけど、ワーキングメモリが弱くて短期記憶が苦手、聴覚からの情報を処理するのが苦手、自閉の傾向も少し出ている」というようなことを医師から告げられた。その時は自閉について思い当たる節はなかったが、思い返せば「自分ルールで自分を縛る」、「作業やルーティーンを中断させられると混乱する」、「喋りすぎてしまう(これは多動性の影響もあるように思う)」などの性質がそれに当たるのかもしれないと思った。

なので、マルチタスクでタイムリーなレスポンスが要求され、人と人の間に入って調整するような作業、仕事は一番合っていないと思う。

 

普段の仕事は、関係者がそれほど多くなく、ある程度自分のペースで進められる部分もあり、クライアントから感謝の言葉は自分にとっての短期的な報酬として機能していて、嫌いではないと思う。

急ぎの仕事やマルチタスクをこなさないといけない状況でケアレスミスをするのは、ADHDである以上しょうがない。毎回適当に謝って申し訳なさそうなポーズでやり過ごすのが妥当な対策だと思う。実際、他のメンバーもケアレスミスは数の差こそあれやっている。ただ、防げる失敗をしたという気持ちに自尊心は削られる。

 

前述の通り、今の仕事の負荷で調子が下がっているものと考えていたが、同僚に現状を聞いてもらって、各人の仕事について、システム上で「誰が何をどれだけやったか」が可視化されて、常に締め切りを突きつけられるのが相当なプレッシャーになっているのでは?と言われて、自分がその環境や上司からのプレッシャーが負担になっていたことに気がついた。

 

今の職場の方針としては、「とにかくスキルアップして、より短い時間でより高度な仕事をより多くこなせ」ということだと思う。それは、会社である以上、当然のことだと思う。

上司からは「成長するためには云々」としきりに言われるのも正論だと思う。それでも、どうしても辛くて仕方がない。

仕事の負荷だけ上げられて「ここが足りない(から昇進はお預け)」と言われても、こちらにはどうしようもできない。能力以上の仕事はもうできないし、何かを犠牲にして成長の速度を上げたいとも思わない。

全てを犠牲しても「成長」したところで出世できるわけでもないのに、バカバカしいことこの上ないと思う。しかも、別に「成長」したいと言った覚えはない。子どもの頃に「速く走れるように頑張ろう!」と悪意なく言った教師に対する不快感と同じ感情を覚える。別に足が遅くても速く走りたいなんて思ったことはない。

 

シングルのゲイでADHD精神疾患の罹患歴と休職歴がある自分にとって一番重要なのは、「可能な限り健康な状態をキープして、仕事を続けること」であって、それに比べたら「成長」も「キャリアアップ」もどうでもいいことだと思う。心身の健康や命に比べたら、何の価値もないと思う。収入は上がるに越したことはないが、そのために健康が犠牲になるのであれば、昇進できなくても全く構わない。

仕事以外の自分のやりたいことや好きなことを仕事と同じかそれ以上に大事にしたい。中国語の勉強もしたい、ゲームもしたい、ドラマや映画も観たい、仕事に関係ない本も読みたい。1日が終わるだけで消耗して、YouTube観るぐらいしかできない生活がいいとはとても思えない。

 

上司は、ストレートの男性で、東京生まれ東京育ち有名私学卒で、日系コンサバ企業から転職してきて、同じレイヤーの人種としか交わってこなかったんだと思う。自分が高下駄を履かされていることにおそらく自覚がないタイプでスタートラインがそれぞれ違うことなんて想像が及ばないんだと思う。リーズナブルでさっぱりした人柄で善人だと思うが、他人の気持ちに寄り添うということがピンとこないんだろうなと感じる。

 

別に自分だけが苦労してきたなんて思わないが、田舎に生まれたADHDのゲイがストレートの定型発達者の男性と同じように働いて、今の収入を得ることがどれほど大変なことか。ここまで辿り着くまでにどれだけ自分をすり減らして傷ついてきたか。

 

上司は、若くして管理職になってゲーム感覚でパフォーマンスを上げるのが楽しいんだと思う。でも、自分はもうそんなゲームには乗らないし、乗ることもできない。

 

今は苦しくて、前向きでいられないが、それでよしとしよう。仕事ができないこともよしとしよう。仕事のことで何か言われても「できないものはできないから仕方ない、その分給料もポジションも上がってないんだから給料分は働いている」と思おう。自分の意思で仕事を続けることも辞めることもできる。転職することも職業や住む場所を変えることもできる。うつの再発率を考えると再発しても全くおかしくないから起こり得ることして考えよう。再発したらまた薬を飲めば大丈夫。とりあえず、睡眠時間だけ確保できれば上出来。眠れないなら眠剤を飲めば大丈夫。ダメなときはダメなりに、いいときはそれなりにやっていこう。